気持ちと体にあらわれる
連鎖することもある
うつ病において気を付けることは身体にも症状が出るということです。人間は日常生活のさまざまなシーンにおいて悲しいことがあったりすると落ち込んだり仕事に行きたくないと感じることがあります。それらの気持ちは一時的なもので回復することができます。しかしながらうつ病の症状ではつらい気持ちが一日中継続して、それによって日常生活に支障が出てきます。症状としては気持ちとしてあらわれるものと体にあらわれるものがあります。気持ちとしてあらわれるものはまず抑うつ気分があります。これは希望がない、悲しいといった気持ちのことで、人によってその程度は異なります。人の気持ちには波があるので、うつ病でない人でも仕事でミスをするなどすると抑うつ気分と分類される気持ちになることがあります。二週間以上継続する場合、うつ病として疑う必要があります。不安や焦りの気持ちが継続することも症状の一つです。いつもなら難なくこなせるような作業を思ったようにできなくなったり単純なミスをしてしまったりすることがあります。それによってさらに焦りを増大させたり自分自身を責めてしまったりするようなこともあり、悪循環に陥る可能性があります。場合によっては周囲の人にあたってしまうこともあります。このような場合、周囲の人は患者のつらさを理解することが大事です。そのため失敗しても問題ないという旨の声掛けなどを行うことが有効です。うつ病になると体にも症状があらわれます。その典型的なもののひとつが睡眠障害です。睡眠障害の種類には夜中に目が覚めてしまう中途覚醒、朝早くに起きてしまう早朝覚醒、眠りが浅くなる熟眠障害などがあります。このうち早朝覚醒や熟眠障害が起こりやすくなります。眠りが浅いと脳がしっかりと休養することができず、日常生活にも影響を与えます。睡眠障害は気づきやすいサインの一つです。そのため、人によっては睡眠障害の相談からうつ病が分かることも珍しくありません。また、不眠で悩んでいるとうつ病を発症しやすいという関係もわかっています。適切な睡眠を確保できていないことで本来の体内のリズムが崩れてしまいます。それによって仕事や勉強の質が低下してミスをしてしまい、気持ちを低下させてしまいます。人によっては過眠となることもあります。つまり、どれだけ寝ても疲れが取れないというものです。これは十分な睡眠時間が確保できているのにも関わらず一か月以上日中に寝てしまうなどの症状が継続する場合に判断されます。また、からだに痛みが発生することもあります。痛みが発生すると日常生活にさまざまな影響があらわれ、それがさらに気持ちの症状を悪化させる可能性があります。このことからうつ病の治療においては気持ちだけでなく、体の症状も取り除いていくことで、もとの生活に戻ることを目指します。医療機関を受診するときにはどういった症状があるかをしっかりと伝えることが大事です。どんな症状がいつあらわれたかということをメモしておくことで医師に対して伝えやすくなります。また、周囲の人もそれをサポートすることが治療をする上で大事なことであると言えます。